「先生、これって……今日の授業の一部、なんですよね?」
そんな言葉から始まる、男性教師と女生徒の秘密の授業。
誰にも知られることなく続いていく、二人だけの関係――。
ところが物語が進むにつれて、その構図は少しずつ変わっていきます。
最初は教師と彼女だけだったはずなのに、やがて別の男性たちまで加わることに。
『甘い罠』というタイトルどおり、気づけば最初とはまったく違うところまで来てしまったような展開が印象に残る作品でした。
二人だけの秘密から始まる物語
序盤で印象的なのは、やはり「秘密」というシチュエーション。
教師と生徒という作品上の設定もあって、普通なら越えてはいけない一線を二人だけで共有しているような危うさがあります。
周囲には知られていない。
二人にしか分からない。
その閉じた関係だからこそ、独特の緊張感が生まれているように感じました。
しかし、二人だけでは終わらない
ところが、その関係はずっと二人だけで続くわけではありません。
物語が進むと別の男性たちも加わり、明らかに違った空気へ変わっていきます。
ここが今回、特に印象に残ったところ。
一対一だった関係に第三者が入るだけで、同じ女性を描いていても作品から受ける印象が一気に変わるんですよね。
最初にあった「二人だけの秘密」はどこへ行ったのか。
そんなことを考えながらページを進めてしまいます。
秘密の関係が変化していく展開を楽しむ一冊
最初は二人だけ。
ところが、いつの間にかその関係に別の男性たちが入り込み、秘密だった世界そのものが変わっていく。
『甘い罠』は、そんな展開の変化が印象的な作品でした。
個人的には、最初から大胆な展開を見せるよりも、二人だけの関係から始まって徐々に状況が変化していくからこそ、後半との落差が強く感じられます。
「二人だけの秘密だったはずなのに……」
そう思いながら続きを追いたくなる作品でした。
――蔵人
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