※この物語はフィクションです。登場人物・団体・状況はすべて架空のものであり、実在の人物・団体・施設等とは一切関係ありません。
登場人物はすべて20歳以上の成人として描かれています。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
誰もいないオフィスで、自分に溺れる夜

終業のチャイムが鳴ってから、もう1時間は経っていただろう。
視線を落とした先、自分の膝の上。タイトスカートの中、素肌にそっと触れた指先が、まるで別人のように自分を誘惑している。
「ほんと、バカみたい……こんなところで、なに考えてんのよ……」
独り言のように呟きながらも、指は止まらなかった。
太ももに沿って、指がゆっくりと滑る。
ストッキング越しの感触に、ふいに、呼吸がふわりと乱れた。
「……んっ……」
声が漏れる。
誰もいないとわかっているはずなのに、心のどこかで“見られているかもしれない”という緊張が、その刺激を倍加させていた。
スカートの裾をそっとずらし、指先で下着の上から撫でると――
「くちゅ……」と、小さな音が指に絡む。
思わず背筋がゾクリと震えた。
浅く腰を浮かせ、椅子の背に手を添えながら、そっと前にかがみ込むような体勢に変える。
いつもなら意識すらしない動きが、今夜はどこか艶めいていた。
「……ん、やだ……こんな……はぁっ……」
喘ぎがこぼれる。
誰にも見られていないはずの場所で、誰かに見られているような感覚。
そのスリルが、欲をあおり、指の動きを止められない。
「くちゅ、ちゅ……」
下着の中へと滑り込ませた指が、じわりと濡れた感触に包まれた瞬間。
彼女の身体がピクンと小さく跳ねる。
熱が、潤いが、指先にどんどん集まってくるのがわかる。
あと少しだけ、あと少し触れてしまえば――
そう思った、そのときだった。
(……え? 今……なにか……)
ピタリと動きが止まる。
背後、パーテーションの陰。人の気配がしたような気がした。
「……出てきたら?」表情を崩さずに、沙耶はゆっくりと姿勢を正した。
だがその声は、微かに震えていた。
それが羞恥か、それとも高ぶりの名残か――自分でも、まだわからなかった。
見てたの…?覗き見た後輩の火照り

沙耶の声が、空気をゆるやかに揺らす。
「……出てきたら?」
そう言われて、静かに現れたのは営業課の後輩、榊 透(さかき とおる)だった。
まだスーツのまま、上着だけ脱いだ姿。普段は無口で真面目な印象の彼が、どこかぎこちない動きで姿を見せた。
「ごめんなさい……その、忘れ物があって戻ってきたら……声をかけそびれて……」
透の視線は泳いでいた。けれど、それ以上に、沙耶の目は鋭く彼を見つめていた。
スラックスの前を、まるで誤魔化すように手で押さえている――
気づいていないとでも思っているのだろうか。その動き、その空気、その火照った頬。
「……見てたのね、さっきの」
沙耶の口元に、わずかに艶めいた笑みが浮かぶ。
それは、見透かしているようで、許しているようでもある。
まるで、覗き見た罰を与える代わりに、もっと深い秘密を共有してしまおうとでも言いたげな笑みだった。
「そんなに……我慢してたの?」
沙耶はゆっくりと透に近づき、手を伸ばした。彼の手をそっと払うと、布越しの膨らみに、自分の指先を重ねる。
ピクリと跳ねる感触に、彼女の瞳がうっすら潤む。
「……ズルいなぁ、透くん。
こんなになるまで、黙って見てたなんて……」
目を伏せる透に、沙耶は何も言わず、膝をついた。
床に静かに座り込み、彼の腰に顔を近づける。ファスナーには触れず、そのまま布越しに、唇だけでそっと宥めるように、熱を伝えていく。
柔らかく、何度も。唇と頬で撫でるように。
布の上から伝わる熱が、じわりと滲んでくる。
「……ダメです、そんな……っ」透の身体がピクリと震えた。
沙耶の唇が、スラックス越しにそっと触れたときの反応だった。
「ふふ……こんなに熱くなってるのに、黙ってたの?」
艶めいた声で囁きながら、布の上から唇を何度も押し当てる。
「ちゅ、ん……ちゅっ」
まるでキスするように。ときおり、舌先で軽く舐めるように撫でれば、そこからじわりと熱が伝わってきた。
「……や、沙耶さん、それ……」
透が言いかけるのを、沙耶の指が唇に当たって遮る。
「黙って感じてよね?」
ファスナーに手をかけて下まで一気に。
そしてトランスの布越しに愛撫を続ける。
その動きは、まるで焦らすようでいて、どこか優しい。
やがて、両手で彼の腰を包み込むようにして、唇を密着させる。
「ちゅ、ちゅるっ……ちゅ、んっ」
柔らかく吸い上げるような音が、小さく空間に響く。
布の摩擦と、舌のぬるりとした感触が、透の理性を容赦なく削っていく。
「……く、あっ……っ、そんな……も、無理……っ」
彼の呼吸が荒くなり、腰が揺れた瞬間。
沙耶はその動きに合わせて、唇の力を強める。
「ちゅぷ……じゅるっ、ちゅるるっ……っ」
まるで、吸い込むように。
とろけるような唇の動きと、時おり喉奥から漏れる艶声が、空気を艶やかに染め上げる。
「……あっ、だめ、出る……!」
その言葉を聞いても、沙耶は止めなかった。
むしろ唇を深く押し当て、最後のひと押しを与えるように――
「ん……ぢゅる……んんっ……」
透の全身がびくびくと震え、腰が跳ね上がる。
トランクスの内側で、ぐっと熱が押し寄せる感覚。
その瞬間、沙耶は動きを止めず、布越しに包み込むように吸い続けた。
「……ふふ、もう大丈夫」そう言って顔を上げた沙耶の唇には、うっすらと艶が残っていた。
火照った頬に髪がかかり、吐息混じりの微笑がなんとも言えず妖艶だった。
擦るだけ…そのはずだったのに

透の吐息が落ち着いてきたころ、沙耶はゆっくりと立ち上がった。
その瞳には、どこか満足そうな光が宿っていたが、それ以上に――まだ満たされていない、微かな疼きが残っていた。
「……ちょっと、悔しいかも。
私だけ、こんなに濡れたままで……」
そう呟きながら、自分のタイトスカートの裾をするりと持ち上げる。
ストッキング越しにくっきりと浮かぶ下着、その中心に広がる濃い染み。
指をそっと滑らせると、「くちゅっ……」という艶かしい音がまた響いた。
透は目を奪われたまま動けなかった。
そんな彼を見て、沙耶は背を向けて、デスクに手をつく。
「……来て。後ろからでいいから……擦ってほしいの」
その声は、震えていた。
欲に抗えず、でも一線を越えることには、どこか戸惑いを残している――
そんな女の素直な本音が、行動よりも、よほど艶を帯びていた。
透はゆっくりと彼女に近づき、彼女の腰に手を添えた。
服越しに感じるぬくもりと、彼女の小さな震え。
トランクスのまま、自分の熱を彼女のヒップに当て、そっと動かしてみる。
「……んっ……」
沙耶の声が、わずかに裏返った。
それを合図に、彼は少しずつ腰を揺らす。
「擦るだけ」――それだけの行為が、なぜこんなにも背徳的で、甘く痺れるのか。
「……あ、ん……そこ……っ」
後ろから押し当てられるたび、布越しに感じる輪郭と熱。
沙耶はデスクに手をついたまま、腰を僅かに引き、受ける角度を調整していく。
「……もっと、当てて……あつ……はぁっ……」
シャツの背中がじっとりと汗ばんでくる。
ヒップを左右に揺らすたび、中心に擦れ合う布が、じゅるっ……じゅっ……と音を立てる。
透の動きも次第に荒くなっていった。
ただ擦り合わせているだけなのに、ぬるりと湿った感触が互いの熱を呼び起こす。
「……くっ、沙耶さん、もう……だめかも……」
「いいよ……出して……そのまま、私の上で……っ」
沙耶が振り返らずに囁いた声には、もう羞恥も戸惑いもなかった。
すでに彼女は、欲に飲まれながらも、男の火照りに身を重ねることを選んでいた。
「んっ、くぅ……っ」
透の動きが止まり、硬直する。
そのまま沙耶の腰に額をあずけるようにして、震える呼吸を繰り返した。
彼女もまた、身体の奥で小さく痙攣を感じながら、指先に力を込める。
ふたりとも、もう何も言葉にできなかった。
ただ、汗と熱と、布越しの名残が、交わった証として残っていた。
……
やがて、静かな空気が戻ってくる。
沙耶はスカートを直しながら、ちらりと透を振り返った。
「……次は、ちゃんと約束してね?
今度は……最後まで、入れるって」
その微笑みは、ずっと見ていた“完璧な女上司”の顔ではなかった。
まるで恋する女の子みたいに、あどけなくて、でも確かに――艶やかだった。

※本記事に掲載されている画像はすべてイメージです。モデルは20歳以上であり、演出・フィクションを含んでいます。