※この物語はフィクションです。登場人物・団体・状況はすべて架空のものであり、実在の人物・団体・施設等とは一切関係ありません。
登場人物はすべて20歳以上の成人として描かれています。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
秘密の始まりは、ナースコールから

静まり返った病棟の廊下に、カツン……と私の足音だけが響いていた。夜勤のナースは、孤独だ。
患者さんが寝ている間に、点滴の確認や記録を片付け、書類の整理…。
けれど、病院という場所は、日中よりも夜の方がずっと人間の“本性”を見せることがある──それを私は、よく知っている。
614号の個室からナースコールが鳴ったのは、深夜2時を過ぎた頃だった。
決して重篤な症状の方ではない。むしろ…彼は、元気すぎるほどだった。なのに、今夜も呼ばれた。
部屋に行くと低く穏やかな声で、「美緒さん、待ってたよ…もう我慢しきれないんだよね」と。
その言葉を聞くと、自然と心拍数が上がるのを、自分でも感じていた。
――あれは、ちょうど2週間前の夜だった。
私が処置でミスをしかけた時、彼はその場で騒ぎ立てず、穏やかに「秘密にしてあげるよ」とだけ言った。その微笑みは優しいものだったけれど、どこかに男の“支配欲”を滲ませていた。
その日から、私は彼に呼ばれるたびに、普通のナースとは違う“対応”を求められるようになった。
最初は小さなイタズラのようなものだった。膝に手を添えられたり、耳元でいやらしい言葉をささやかれたり。
でも、それが夜を重ねるごとにエスカレートして──今では、呼び出されるだけで身体が勝手に熱を持ってしまう。静かに病室のドアを開けると、彼の視線が私を待ち構えていた。
そして私は、また“あの時間”が始まるのだと、心のどこかで覚悟する。
ナースコールという名の合図。それはもはや、患者と看護師の枠を超えた、私たちだけの秘密の儀式になっていた──。
夜勤の看護は、快楽の境界線の上で

「どうされました?」
声をひそめながら、私は614号室のふたり部屋に足を踏み入れる。
もうひとりの患者さんは熟睡している様子で、静かな寝息がカーテンの向こうから聞こえてくる。
それでも私は、自然と呼吸を整えてから、そっと彼のベッドへ近づいた。
「うん、大丈夫。でも……こっちは、少し苦しくてね」
彼は、わざとらしいほど穏やかに笑っていた。その目が、私の胸元をゆっくりと見下ろす。
今夜も……また、あの時間が始まる。そう思うだけで、背筋に小さな緊張と熱が走る。
「今日は、ちゃんと持ってきてくれた?」
ポケットの中に隠した“あれ”が、ずっと肌に当たっていた。
バイブ──彼が指示した通りのもの。
私は無言でうなずき、それをそっと取り出した。
その瞬間、彼の指が私の手を包み、ぬるりと撫でてきた。
「じゃあ…静かにね?」
彼の低い声に導かれ、私はベッドの端に腰を下ろした。
彼の手が私の太ももに触れ、白衣の裾をそっとたくし上げる。
薄いカーテンを隔てたすぐ向こうには、別の患者さんが眠っている。
声を出したら終わり。わかっているのに、脚は自然と彼の指を受け入れていた。
「下着も白なんだね……美緒さん、ナースって感じで、いいね」
彼の手がショーツに忍び込む。指が、すでに湿った部分に触れた瞬間、思わず全身が震えた。
「濡れてるじゃない。興奮してるんだ?」
私は首を横に振る。否定する。でも、脚はわずかに開いていた。
彼がゆっくりとバイブを差し込むと、膣の奥がくちゅりと音を立てて受け入れた。
自分の体が、勝手に、彼を迎え入れている。
「やだ…こんなところで……っ」
だけども、奥へ、奥へと彼の手を誘うように私の腰は揺れていた。
バイブのスイッチが入る。
振動が、身体の内側を這うように広がっていく。
太ももをぎゅっと閉じ、唇をかみながら、私は声を殺した。
隣には人がいる。ばれてはいけない。だからこそ、感度が狂うほどに高まっていた。
「カーテンの向こうに寝てるんだよ? バレたらどうする?」
彼の囁きが耳をなぞる。その背徳感が、快感をさらに煽った。
喉の奥でくぐもった吐息を漏らしながら、私はベッドのシーツをきつく握る。
「……んっ……くっ……っ」
小さな吐息が漏れるたびに、彼の笑みが深くなっていく。
そして私は、もう自分が“ナース”であることを忘れかけていた。
白衣の下で、誰にも見せたことのない“私”が、振動に揺られて溶けてゆく。
ナースの白衣が乱れる瞬間

「……気持ちよさそうだね、ナースさん」
彼の声が、暗がりの中で私の耳をくすぐる。
私はベッドに半身を預けながら、太ももを震わせていた。
小刻みに震える振動が、身体の奥にひたひたと広がり、心の奥をも蕩かしていく。
シーツの上、白衣の裾が乱れているのも気づいていた。でも、もう直す気力も残っていなかった。
「……こんな、の……やだ……っ」
かすれた声が、唇の端から漏れる。
恥ずかしさに顔が熱くなる。でも、奥のほうでズンと来るあの感覚が、羞恥心を溶かしてゆく。
彼の指先が、バイブの先端を軽く押し込み、微妙な角度で揺らすたび──喉の奥から、勝手に声がこぼれそうになる。
「静かにね。……ほら、向こうのベッド、起きちゃマズイでしょ?」
その囁きに、私は息を止める。
それでも……脚は、ぎゅっと閉じたつもりでも、快感に負けて何度も開きそうになる。
「自分で、してみる?」
ふいに、彼が私の手を取った。温かくて、少し強引なその手が、私の指をバイブの根元に導いていく。
自分の手で、震えるそれを持ち、角度を変えて、押し込んで……。
中がきゅん、と締まる。
「……っあ……ん……っ……」
声が漏れそうになって、あわてて口元を手で覆った。
息が苦しい。喉の奥が熱い。
でも、逃げられない。むしろ私は、そこから目を逸らさず、自分の手で快感を深めていた。
「もう……やだ……のに……っ、止められない……」
彼は何も言わずに、私の肩を抱き寄せ、優しく唇を添えた。
それが、合図だった。
彼は自分で隠し持っていたローターを私の胸元へ……。
ブラの上から押し当てられる振動が、乳首の奥をピリピリと刺激してくる。
「ここも……気持ちよくしてあげる」
身体中が、振動に包まれていく。
私はもう、“彼にされている”のではなかった。
自分から求めて、自分から快楽を深めていた。
白衣の中の私は、いつのまにかナースではなくなっていた。
彼の前では、命令を守るだけの“職業”ではなく、快楽に染まった“ひとりの女”でしかなかった。
「……お願い……もっと……」
ついに、私は自分からそう口にしてしまった。
バイブを自らの奥へ押し込みながら、指の震えが止まらない。
溶けるような熱が、腰の奥で花開く。
快感が、全身を締めつけ、やがて──
「っ……!」
何かが弾けた。
私はその瞬間、全身から力が抜け、彼に倒れこむように寄りかかった。
彼の腕が、それをそっと受け止める。
白衣の前がはだけて、下着までが湿っていることに、今さら気づく。
でも、不思議と恥ずかしくなかった。
ただ──気持ちよかった。
今夜もまた、呼ばれて、応えて、堕ちていく。
614号室のナースコールが鳴ると、私は“あの時間”を思い出す。そうして私は、知らぬ間に夜勤が待ち遠しくなっていた。
まるで、恋をするみたいに──。
※本記事に掲載されている画像はすべてイメージです。モデルは20歳以上であり、演出・フィクションを含んでいます。